アップルの元社員Huxley Dunsany(ハクスレー・ダンサニィ)さんがRedditに投稿した社員証がステキだったのでご紹介します。
ときどき読み返すと仕事に対しての「やる気スイッチ」が入る気がしますよ。
どうも、ねこひげ先生(@dr_catwhisker)です。
今回は『アップルの社員証に書かれた「11の成功ルール」』というお話です。
目次
アップルの社員証
2004年にアップルに入社をしたHuxley Dunsany(ハクスレー・ダンサニィ)さんが、アップルの社員証の裏に書かれていた「11の成功ルール」をネット上に投稿しました。
こちらです。
When I was hired by Apple in 2004, these "rules for success" were attached to the back of my employee badge. Words to live by.
Apple社員が実践する成功のためのルール
- 古いものは手放し、未来を最大限に生かせ。
- 常に真実を語れ。悪い知らせほど早い方が良い。
- 最高の誠実さが求められる。疑問があれば、聞くこと。
- 良いセールスパーソンではなく、良いビジネスパーソンになることを学べ。
- 床は全員で拭く。
- スタイル、スピーチ、顧客をよく見ることにおいてプロであれ。
- カスタマーの言葉を聞け。そうすれば概ね理解してくれる。
- パートナーとWin-Winの関係を作れ。
- お互いに気を配ろう。情報を共有することは良いことだ。
- 難しく考えすぎない。
- 楽しむこと。でなければ価値がない。
どうでしょうか。
とても刺激的な言葉が並んでいて気が引き締まりますね。一つ一つ見ていきましょう。
1:古いものは手放し、未来を最大限に生かせ。
まさにアップルらしい言葉というよりかスティーブ・ジョブズらしい言葉ですね。
「iPod」「Mac」「iPhone」など最先端テクノロジーを駆使し、さらに美的センスもある製品を世に出してきたアップルだからこそ、言葉にすると説得力があります。
2:常に真実を語れ。悪い知らせほど早い方が良い。
誰しも失敗を恐れます。できれば失敗はしたくありません。とくに失敗が許されないような環境であれば、なおさらです。
失敗をしてしまって、その失敗を隠す人もいることでしょう。
「悪い知らせほど早い方が良い」確かにその通りで、傷口は浅いうちに対処するほうが賢明です。
挑戦する限り、失敗はつきもの。「悪い知らせ」かもしれませんが、隠すことなくその事実を語ることで結果的に次の挑戦につながり「良い知らせ」にもなることもあるでしょう。
3:最高の誠実さが求められる。疑問があれば、聞くこと。
近年でこそ「誠実さ」や「謙虚さ」など礼節の重要性が注目されるようになりましたが、昔からアップルは社員証の裏に記して従業員に周知していたのですね。
4:良いセールスパーソンではなく、良いビジネスパーソンになることを学べ。
おそらく良いセールスパーソンとは「成果をあげる人」。そして良いビジネスパーソンとは「信頼できる人」だと思います。
成功者ではなく、価値ある人間を目指すべきだ。
これはアインシュタインの言葉です。あなたにとっての「価値ある人間」とはどんな人物でしょうか。
5:床は全員で拭く。
Huxley Dunsany(ハクスレー・ダンサニィ)さんのお気に入りのルールが、この「全員で床を拭く」だそうです。
「誰も手伝う必要がないほど“低レベル”で、取るに足りない仕事などないという意味。つまり、アップルで仕事したり、出世したり、いくら稼いでいようと調子に乗ってはいけない。基本がとても大事。あなたがどれだけ昇進しようと、どれだけ偉くなったと思っていようと、あなたの手助けは常に求められている」
6:スタイル、スピーチ、顧客をよく見ることにおいてプロであれ。
あなたは仕事にプロ意識をもっていますか。
会社員の中には惰性な気持ちで働いている人もいるかもしません。とくに大企業など安定した会社に入社した人はどうでしょうか。近くの上司を観察したときに、その上司はプロ意識がありますか。
プロ意識で仕事をする、心に留めておきたいことですね。
7:カスタマーの言葉を聞け。そうすれば概ね理解してくれる。
心理学者アダムグランド さんが言っていましたが、エンドユーザーとの関係性が、従業員にやる気にさせるそうです。
グラントは博士課程の研究で従業員のモチベーションに関する研究を行ったが、HBR誌に寄稿した“How Customers Can Rally Your Troops: End users can energize your workforce far better than your managers can.” HBR, June, 2011.(邦訳「お客様の言葉が社員を顧客志向に変える」DHBR2011年10月号)では、仕事の受益者であるエンドユーザーとの関係性が、従業員にやる気にさせることを論じている。
しっかりと顧客の話を聞くことは、顧客のためでもあり、さらには自分のためになるのです。心理学的にも仕事で「誰かの役に立っている」という感覚を持つことは重要ですからね。
8:パートナーとWin-Winの関係を作れ。
アップルを生んだのはスティーブ・ジョブズだけではなく、そのパートナーのスティーブ・ウォズニアックの存在も大きく影響しています。
『POWERS OF TWO 二人で一人の天才』という本では、「ペアを組むことになる相手と出会い、人間関係の化学反応が始まる」と語られています。
NBAのマジック・ジョンソンとラリー・バード、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEOとシェリル・サンドバーグCOO、ジョン・レノンとポール・マッカートニーなど、一人の天才の成功ではなく、パートナーとの科学反応で成功したケースが世の中には沢山あります。
9:お互いに気を配ろう。情報を共有することは良いことだ。
日本企業には情報共有ができていない企業が沢山ありそうですね。
業務が属人化されていたり、部署間で壁があったり、そもそも情報が整理されていなかったりと問題を抱える企業もあるのではないでしょうか。
社員証に書き、情報共有の重要性を周知することはとても良いことです。
10:難しく考えすぎない。
僕は考えすぎる傾向があるので、これは耳が痛い言葉です。物事をシンプルに考えることが大事なのは間違いありません。
「シンプルであることは、複雑であることよりむずかしい。物事をシンプルにするためには、懸命に努力して思考を明瞭しなければならないからだ。だが、それだけの価値はある。なぜなら、ひとたびそこに到達できれば、山をも動かせるからだ」
11:楽しむこと。でなければ価値がない。
最後の言葉が「楽しむこと」です。どれだけの人が仕事を楽しんでいるのでしょうか。または楽しい職場で働いているのでしょうか。
新しいアイデアを生み出す創造力にも、ユーモアが関係すると言われています。米国メリーランド州にあるバルチモア大学のアリス・アイセン博士が行った調査で、大笑いをした後が一番創造的になったという研究もあるぐらいですからね。
楽しむことを重要視するアップルから様々な創造的なアイデアが生まれるのは、理にかなったことです。
今回はアップルの社員証に書かれた「11の成功ルール」というお話でした。
仕事に対して「どのような姿勢で取り組むか」自分なりの仕事哲学を考えるときに、とても参考になるのではないでしょうか。
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