近年、「人生100年時代」とよく耳にします。そんな時代だからこそ考えていかなければいけないのが「自分のキャリア」です。ただ、将来のことを考え過ぎても息が詰まるのも事実です。
では、どうすればいいのでしょうか。
どうも、ねこひげ先生(@dr_catwhisker)です。
今回は『偶然も楽しみながら取り込む「キャリア・ドリフト」』というお話です。いま、キャリアについて悩んでいる人は読んで参考にしてみてくださいね!
目次
節目はしっかりキャリア・デザインして、あとは流れに身を任せる
先行きが不透明な時代となりました。2〜3年前に、誰が今の日本がこのような状況(コロナ禍で低迷)に陥ると想像できたでしょうか。
ある程度、先を見通すことも大事です。ですが、社会が複雑になるにつれて確実な予測は難しい時代になってきました。
そんな時代だからこそ、「キャリア・ドリフト」という考え方が必要になるのではないでしょうか。
キャリア・ドリフトとは
キャリア・ドリフトとは神戸大学大学院経営学研究科教授の金井壽宏先生が提唱するキャリア論です。
20年も30年も先のことはデザインできない。そんな先までの道程は分からないから。だからこそ、数年に1回くらい自分に訪れる節目のときくらいは、しっかりキャリア・デザインすべき。節目でさえデザインしなかったら、ずっと流されたままになってしまう。
節目だけでもデザインして、不確実な中にも大きな方向感覚や夢を持っていれば、あえて流されてみた方が、「思わぬ掘り出し物」に出合えるかもしれない。
出典:金井壽宏教授が提唱する「節目」のキャリア論:エンジニアも知っておきたいキャリア理論入門(11)(1/2 ページ) - @IT
人生には節目があります。結婚や出産といったイベント。30歳、40歳という年齢的な区切り。親の介護など家庭の事情。人生にはこんな節目がありますよね。
このような節目に差し掛かったとき、自分が進むべき道に複数の選択肢が表れます。このような節目では、しっかりと自分のキャリアについて考え、方向性を定めましょう。
そして、逆に節目でない時期には、予期しなかった偶然の出来事や出会いを柔軟に受け止め、あえて「流されてみる」ことです。
キャリア・トランジション
金井先生は、以下の説を「もうひとつのキャリア・トランジション・モデル」を提唱しています。
①キャリアに方向感覚を持つ
大きくかつ現実に吟味できる夢を抱く。生涯を通じて夢を探しつつ、節目ごとに夢の修正をする。
②節目だけはキャリアデザインする
人生や仕事生活の節目ごとに、何が得意か、何がやりたいか、何に意味を感じるかを自問して、キャリアを自覚的に選択する。
③アクションをとる
デザインしたら、その方向に力強い最初の一歩を歩み、元気を持続する。MER(最少必要努力投入量)を超えるまではよい我慢はしつつ、がんばってアクションを繰り返す。
④ドリフトも偶然も楽しみながら取り込む
次の転機までは、安定期にも退屈することがないように偶然やってきた機会も生かす。ドリフトもデザインの1つとして楽しむ。
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キャリアは偶然に左右されることが多く、変化をポジティブに捉える
米スタンフォード大学の教授であったジョン・D・クランボルツ教授も「計画された偶発性理論」を提唱し、同様のことを言っていました。
「計画された偶発性理論」では、個人のキャリア形成をもっと幅広くとらえ、その8割が予期しない出来事や偶然の出会いによって決定されると考えます。重要なのは、その偶然を避けるのではなく、当人の主体性と努力によって最大限に活用すること。
ちなみに、計画的偶発性理論では5つの指針が重要しされています。
- 「好奇心」 ―― 興味関心をもつこと
- 「持続性」 ―― 飽きずに続けること
- 「柔軟性」 ―― 他人の意見も聞くこと
- 「楽観性」 ―― くよくよしすぎないこと
- 「冒険心」 ―― 失敗を恐れないこと
今回は「キャリアドリフト」についてお話をしました。何もかも綿密に計画しようとすると息が詰まります。
キャリアデザインは節目だけ行って、あとは流れに任せてみることが大事です。偶然やってきた機会も活かす、そんなキャリアを築いてみてはいかがでしょうか。
参考文献
今日のクエスト~LevelUpポイント~
●将来のことはわからない!
●節目だけしっかりデザインしよう!
●偶然も楽しみながら取り込む!