このように「今年こそ、がんばる!」と意気込みを新たにしている人もいることでしょう。では、そんなあなたにお尋ねします。昨年はどうだったのでしょうか。
「昨年は忙しくて…」「昨年はいろいろあって…」と理由(言い訳)が出てくるかもしれません。目標を挫折してしまう人には、ある特徴があります。
どうも、ねこひげ(@dr_catwhisker)です。
今回は「計画錯誤の罠」にハマらず挫折しない目標を計画しよう、というお話です。
目次
人は目標を楽観的に考えてしまう傾向がある
「今年こそは、できそうな気がする!」と思う人、ちょっと待ってください。その「できそうな気がする…」には具体的かつ客観的な理由がありますか。
実は、人は目標を楽観的に考えてしまう傾向があります。新た認知心理学者ダニエル・カーネマンは、楽観バイアスがかかる現象を「計画錯誤」という言葉で表現しています。(参考)
たとえば、上司から1週間以内に「資料を作ってくれ」と依頼されたとします。楽観バイアス傾向の人は「1週間もいらない。締切3日前から着手すればいい」と思い、いざ取り掛かってみると期限内に終わらない……と泣きを見てしまうのです。
あなたにも仕事や勉強、目標など「やってみたけど、思った以上に時間がかかった」「思った以上に大変だった」という経験はありませんか。
これこそが「計画錯誤」です。
つまり、計画錯誤とは簡単に説明すると「人は物事を達成するために必要な時間や労力を楽観的に見積もってしまう」ということなのです。
計画錯誤を証明する実験
計画錯誤を証明する興味深い実験があります。それが「WILLPOWER 意志力の科学」という書籍で紹介されていました。
実験では、学者が論文を書いている学生を対象に「その論文はいつ頃、書き終わりますか?」と尋ねました。学生からの回答は以下の通りになりました。
学生たちの予想日数
・最短日数平均27日
・最長日数49日
実際にかかった日数
・平均56日
参考書籍:WILLPOWER 意志力の科学
過半数の学生が、最長日数をかけても論文が完成しなかったのです。まさに「計画錯誤の罠」にハマったと言えるでしょう。
挫折しない目標を計画しよう
ここまで読んでくれた方は「人は計画錯誤の罠にハマる可能性がある」ということを理解していただけたかと思います。そこで、もう一歩深く考えてみましょう。それが挫折しない目標計画の立て方です。
あなたが、目標計画を立てるとき「計画錯誤の罠」にハマらないために下記の3つの方法を参考にしてみてください。
①人に意見を聞いてみる
楽観バイアスが働いている人は「自分ではできる!」と過信しがちです。そこで、家族や友人に「自分の目標が妥当かどうか」尋ねてみましょう。
他人に聞いてみることで「それは無理があるんじゃない?」「こうなったとき、どうするの?」など新たな視点で判断してくれます。
ここでは同じようなタイプの人間に相談するよりも、自分とは違った価値観や考え方ができる人に相談をしてみてはいかがでしょうか。おそらく、自分が見落としがちな視点でアドバイスをしてくれることでしょう。
②過去の経験を参考にする
過去にできなかったことが未来でできるとは限りません。昨年挫折したような同じ目標や取り組み方では、また挫折してしまうおそれがあるのです。
ですが、挫折を繰り返す人はそれを忘れてしまい「今年こそはできそうな気がする!」とまた過信してしまうのです。
過去の経験を参考いしましょう。「なぜ、挫折したのか」「なぜ、うまくいかなかったのか」を分析したうえで、目標設定をすることで同じ失敗を繰り返すことを防げます。
③やらない理由を先に考える
目標が計画倒れになる人には、その理由があるはずです。そこで自分がやらなくなる理由を先に考えてみるのです。ぜひあなたの想像力を働かせてみてください。
たとえば、「ジョギング」を目標としたします。「自分がやらなくなる理由はあるだろうか?」と考えてみるのです。「寒いから…」「朝、眠いたいから…」と理由が思い浮かぶはずです。
やらない理由を先に考えてみることで、「そんなことか」かと深刻になりすぎず客観的に捉えることができます。さらに、挫折を未然に防ぐ策も考えられます。
たとえば「朝、起きてジョギングができない日は、夜に走る」「気温が10℃以下になったらサボっていい日にする」など挫折しないための目標設定が決められるのです。
プライベートな目標であれば人に迷惑もかかりません。ただ、これが仕事ともなれば「自分の目標設定の甘さ」によって他人にも迷惑がかかってしまいます。
「人は目標に対して、必要な時間と労力を過信しすぎ」だと認識した上で、現実的な目標を立ててみてはいかがでしょうか。
何よりも継続できるような目標にしましょう。「今年こそは…」という言葉を、「今年こそ」卒業しましょう!(笑)
今日のクエスト~LevelUpポイント~
●人は目標を楽観的に見積もり、過信しがち!
●目標を決めたあと、他人に意見を尋ねるといい!
●今年こそ継続できる目標をたてよう!