「不便益」という言葉を聞いたことがありますでしょうか。 スマホやロボット、人工知能など生活を便利にするモノが増えてきました。便利になりすぎた世の中で、あえて不便なこと、つまり「不便益」が今注目されています。
どうも、ねこひげ先生(@dr_catwhisker)です。
今回は「不便益」って実は人生を豊かにするために必要なことかもというお話です。
目次
便利になりすぎた世の中だからこそ不便益!
「不便益」という言葉があります。不便益とは、簡単に言ってしまうと「不便」と思われがちなことに「益」を 見出す発想のことです。京都大学デザイン学ユニット教授の川上浩司さんが代表を務める不便益システム研究所が名付けた言葉で、不・便益ではなく、不便の益(benefit of inconvienience)のことです。
不便だと思っていたことが、実はプラスに働くことがあるのです。
また、川上教授は『不便益という発想~ごめんなさい、もしあなたがちょっとでも 行き詰まりを感じているなら、 不便をとり入れてみてはどうですか?(しごとのわ)』という書籍を出版しています。長くて覚えにく本のタイトルも、不便のようですが数ある本の中で目立つというメリットがあります。
話は戻って、現代社会は便利な世の中ですよね。
スマホ、人工知能、ロボット…など漫画のような世界が現実となってきました。 最近では、デジタル社会だからこそアナログの良さが見直され、 便利だからこそ不便なことに価値を見出すようになってきています。
例えば、小さい頃に読んだことがある人も多い絵本「ウォーリーをさがせ!」も不便益と言われています。手間と頭を使ってウォーリーを見つけたときの達成感は嬉しいものがあります。
他にも、最近の話ではフィルムカメラの「 写ルンです」が注目されています。スマホ全盛期の今だからこそ、フィルムの粗い画質、現像するまでどんな風に写っているかわらないドキドキ感、数枚しか撮れない不便さがあります。そんなアナログ感が受けて若者に大人気です。
このように不便なことには実はメリットが隠されているのです。今の時代、不便なことにプラスの面を見出す感覚が大切なことだと思います。僕も毎日のようにインターネットを活用していますし、 デジタルガジェットが好きです。だからこそ、あえて不便なことにも注目していきたいと思っている次第です。
むしろ、不便なことにも心理学的なメリットがあるんじゃないかと思うわけです。
明日からできる不便益な生活5選
①電車やタクシーもいいけど、歩こう
歩こう!
運動は日常に取り入れることで健康面に効果が期待できます。過去にNEATで痩せるのに効果的という記事を書いたことがあります。要するにNEATとは「日常的な運動」のことです。
できるだけ立つ、できるだけ歩く、できるだけ座っている時間を短くするということが、健康的なダイエットにつながると考えられているわけです。例えば、日常の動作で言うならば、車を使わずに徒歩で買い物、エレベーターを使わず階段をつかう、通勤は電車じゃなくて自転車にするなどです。一見、不便ですが健康面でみるとメリットがありますね。
②LINEやメールでもいいけど、手紙を書こう
コミュニケーションツールとして、LINEやメールを使うのが当たり前となりました。僕も毎日のように使っています。だからこそ、手紙という不便さが際立つのです。
ひと手間をかけた手紙には温かみを感じます。
心理学的に言えば、これは「返報性の原理」が働くからだと考えられます。「影響力の武器 実践編―「イエス!」を引き出す50の秘訣」という書籍で紹介されている付箋を利用した実験があります。この実験では、アンケート調査の返答に付箋を貼ることで返送率が高くなるとう結果になりました。
職場の同僚や大切な人には、メールもいいのですが、たまには付箋や手紙など手書きのメッセージを送ってみてください。不便ですが印象アップのメリットがあります。
③コンビニでお茶を買うのもいいけど、自分で淹れよう
休憩しまーす
コンビニに行けば手軽にお茶やコーヒーを購入できます。ただ、自分で淹れたコーヒーや紅茶、日本茶もいいですよ。僕はコーヒーも日本茶も大好きなので、よく自分で湯を沸かして淹れるのですがリラックスできます。
現代人は忙しいです。だからこそ、僕は作業の合間に「ゆっくり」とお茶を淹れる時間を大切にするようにしています。実は、人間はぼーっとしているときのほうが脳が活性化して良いアイデアも浮かびやすいと言われています。ドリップコーヒーを淹れて、眺めながらぼーっとするのも、時間がかかるので不便ですが良いものですよ。
また、ソウル大学の研究でコーヒー豆の香りには、睡眠不足や活性酸素によって破壊された脳細胞を呼び戻す効果があるとも言われています。(参考)
④都会もいいけど、田舎で過ごすのもいい
森林浴のメリットを示す研究では、東京で働く男性サラリーマンを対象にして、2泊3日の「森林浴」をしたところ免疫機能がアップしたという研究結果も報告されています。
森林浴前に平均18%だったNK活性が、セラピー終了1日後、約26%に上昇。2日後には27%、7日後で26%、30日後でも22%と、その効果は長く持続した。
出典:「森林浴」でナチュラルキラー細胞を活性化させるためのコツ 「自己免疫力」を徹底強化する最新技術(5) - Ameba News [アメーバニュース]
都会で過ごす便利な生活もいいですが、田舎の緑しかないという不便な生活もメリットがあります。僕たち人間はどれほどテクノロジーが発展しても自然環境との共存は捨てきることはできません。自然は幸福度が増すために必要不可欠なことなのです。
⑤SNSもいいけど、リアルな時間も大切にしよう
今日こんなことがあってさ
SNSをやればやるほどメンタルが悪化するという研究があります。例えば、フェイスブックを見ると他人の楽しそうな投稿を見て比較して落ち込みやすくなるという具合です。ツイッターで大人気のTestosterone先生もいいこと言っていました。
周りと比べて自分の幸せを測ってたら一生満足できんよ。隣の芝生は青く見えるもんだ。特にSNSな。SNSは人生の最高の一瞬だけを切り取って公開できるツールだ。それと自分の人生比べて劣等感を感じるなんてナンセンスだ。完璧な人生送ってる奴なんていないよ。皆それぞれ苦悩がある。妬むな。比べるな。
— Testosterone (@badassceo) 2017年12月9日
「SNS疲れ」という言葉もあるぐらいなので、SNSのやり過ぎはメンタルに影響があるというのは本当なんだろうなと思います。僕もツイッターやインスタグラムをやっているので、完璧なSNS断ちはできていないですが、メンタルのこと考えたら少し控えてリアルな時間を大切にしたほうがよいと思うわけです。
リアルな時間というのは、家族やパートナー、友達など楽しい時間を過ごすときです。「人生を幸せにするのは何? 最も長期に渡る幸福の研究から」というTEDトークがあります。このTEDトークによると、75年をかけて調べた結果、幸福であるためには、富や名声ではなく、良い人間関係に尽きるということらしいです。人間関係はおろそかにできませんね。
不便益がもたらしてくれる心の安定
不便なことのなかに価値がある
便利なモノがいいのは言うまでもありません。便利すぎることがダメということではありません。インターネットや人工知能、人を豊かにするロボットやシステムなど、便利な生活があるからこそ僕たちは助かっています。
不便益を追求するというのは、便利なテクノロジーを否定することではありません。不便なことのなかにも価値を見出すと見えてくるものあります。要は便利すぎる世の中で、大切なことを思い出させてくれることだと考えます。不便という発想に新たなアイデアのヒントが隠れいているのではないでしょうか。
最後に
便利な世の中だからこそ、不便なことに価値を見出すことが大切です。すべて便利になろうというわけでも、すべて不便になろうというわけでもありません。テクノロジーを使いつつも、アナログの良さも考え直すことで新たな発見があると思いますよ。さあ、明日たら少しだけ不便を生活に取り入れてみませんか。
今日のクエスト~LevelUpポイント~
●不便のなかにも価値はある!
●便利と不便のバランスを保とう!
●あえて不便な生活を送ってみよう!