職場で怒りそうになった経験、または実際に怒ったという経験をしたことはありませんか?職場の複雑な人間関係では、理不尽なことも起こります。そこで「怒り」を覚えたという人も少なくないでしょう。
今回は、「職場の怒り」をテーマにした書籍「職場の理不尽に怒らず おだやかに働く技術」を読みましたのでご紹介します。
もし職場の上司や同僚に「イラッ!」としていることがある人などは、参考にしてみてはいかがでしょうか?
もくじ
怒りで失敗したことはない?
これまでに誰かに怒って失敗したなということはありませんか?例えば、職場の上司に怒ってしまい出世の道が絶たれた、または恋人に怒ってしまい別れたなど、日常で怒ってしまったばかりに失敗したということがある人もいるはずです。
「怒り」というのは、使い方次第です。使い方を誤れば人生で失敗することにもなりますが、賢く活かせば「怒り」というのは原動力にもなります。
今回、怒りから発したひと言で左遷、うつ、失業を経験しながら、4人で始めた会社を上場にまで導いたという、横山信治さんの著書「職場の理不尽に怒らず おだやかに働く技術」が興味深いテーマの内容でしたのでご紹介します。
職場の理不尽に怒らず おだやかに働く技術
◆Amazonの内容紹介
■職場での「ムカッ」をたちまち解決する42のテクニック!
怒鳴り散らす上司や、無能な上司、言うことがコロコロ変わる上司……。
批判ばかりする同僚、無神経な同僚、愚痴っぽい同僚……。
仕事は多く、人事は不平等、頑張っているのに結果が出ない……。
職場で「ムカッ」とすること、本当に多くありませんか?でも、怒りをそのままにしておくと、その怒りは増幅し、ストレスで心や体が傷つきます。
本書は、職場での怒り感情を鎮め、さらに前向きなパワーに変える42のテクニックを元落語家で東証1部の金融グループの社長を務めた著者があなたの心に寄り添うように解説します。
本書では著者の経験したエピーソードや怒りのメカニズムについて書かれてあります。どれも参考になるような内容でした。いくつか気になったポイントを紹介します。
怒りは期待を裏切られた時に起こる
「このように行動してくれるだろう」という期待感も、相手が思い通りに応えてくれなければ怒りに直結します。怒りは、期待を裏切られた時に起こります。
他者に期待をし過ぎていませんか?身近な人であればあるほど、「このように行動してくれるだろう」という期待をしていることがあります。この期待は日常のあちこちに転がっています。
ただ、相手に期待をするばかりに、期待が外れたら怒りの感情に変わります。過度の期待はよくありません。人はみな違う価値観を持っていることが前提です。
「自分は正しい」は、劣等感の裏返し
特定の人への「怒り」の原因は、自分の中の「劣等感」から生まれます。「自分は正しい」は、劣等感の裏返しです。
著者は「特定の人への怒りは、自分の劣等感が何かを知るチャンス」と話します。
確かに何も意識していない相手に怒りを覚えることはないでしょう。何かしら意識していること、つまりは「劣等感」があるからこそ怒りになっている可能性があるということです。
ただ、その「劣等感」というものは自分では気づいていないことも多いです。「劣等感」を知るためにも「怒りの感情」は無駄にはならいということですね。
新しい感情に意識を向かわせる
いずれにしても、一瞬「イラッ!」とした時は、何もしないか深呼吸をするようにしてください。そして少し落ち着いたら、あなたが楽しいと思うことをしてみてください。
怒った経験を持つ人の中には、怒りのままに行動をして後悔をしたという人もいるのではないでしょうか。
「イラッ!」とした瞬間というのは、冷静ではありません。つまり、自分本来の考えや価値観で物事を見えていない可能性があります。そのために、著者が言うように、少し落ち着かせて客観的に見ることが大切なんだと思います。
自分を批判するに値する人物かどうかを見極める
他人の批判に対する対処法は、相手が自分を批判するに値する人物か否かを見極めてください。(中略)あなたも他人の批判で反省すべき点があれば改善し、そうでなければ受け流しましょう。
これ大事ですね!特に、他人を気にすぎる人にとっては参考になる内容です。
世の中には、いろんな人がいて中には自分の憂さ晴らしで批判する人、自分の価値を上げるために避難する人などがいます。このような批判に神経質になるのはもったいないです。
相手が、自分のことを批判するに値する人物か否か見極める目を持っていたいものです。
辛抱しても我慢はしない
我慢の先は、不満です。辛抱の先には、希望があります。不満はいずれ爆発しますが、希望は将来、実ります。
我慢と辛抱の違いについて書かれてあります。そして、我慢はよくないけど辛抱は良いと著者は言っています。
これも素晴らしい考え方だと思います。理不尽な出来事があったときに、「我慢」と捉えるか「辛抱」と捉えるかで、自分のストレス値も変わってくる気がします。
確かに目標の達成のためには、我慢はできなくとも辛抱はできます。
怒りはリスクにチャレンジする原動力
怒りのエネルギーを前向きに使えば、チャレンジングで創造性に満ち、失敗にめげないパワーとなります。
怒りの感情というのは使い方を誤ると様々な弊害を生みます。怒りの感情が暴力な行動に転嫁したり、無謀な行動になったりすれば良くありません。
大切なのは、怒りのメリット・デメリットを理解した上で、怒りのパワーを賢く利用するということです。味方につけることができれば、心強い感情となるのが「怒り」のようです。
最後に
「怒り」という感情は、しばし僕達を悩ませます。そして、使い方を間違えば失敗に繋がります。怒りの原因の70%は人間関係にあると言われています。
その中でも人生で多くな時間を過ごす職場での「怒り」を覚えることも少なくありません。職場で感情の赴くままに怒れば、おそらく失敗するでしょう。
今回、ご紹介した書籍では、怒りのメカニズムや怒りを抑えるポイント、著者のエピソードなどを交え、大変興味深く読むことができました。
もし、今、理不尽な職場に怒りを覚えていることがあるという人は、参考にしてみてはいかがでしょうか。そして、強いエネルギーを持つ「怒りの感情」を上手に使ってみてください。