生きている限り歳なんて関係ない、そう前向きに思わせてくれる本に出会いましたので紹介します。
それは、篠田 桃紅さんの「一〇三歳になってわかったこと 人生は一人でも面白い」という本です。オススメですので、気になる方はぜひ!
もくじ
一〇三歳になってわかったこと 人生は一人でも面白い
◇Amazon内容紹介
100歳を超えても、人生は自分のものにできる
100歳を超えたから見える世界がある。生きている限り、人生は未完成。
今も第一線で活躍している美術家・篠田桃紅が、時には優しく、時には厳しく人生の生き方、楽しみかたを伝授する。
第一章 100歳になってわかったこと
・百歳はこの世の治外法権
・古代の「人」は一人で立っていた
・いい加減はすばらしい
第二章 何歳からでも始められる
・頼らずに、自分の目で見る
・規則正しい毎日から自分を解放する
・1+1が10になる生き方
第三章 自分の心のままに生きる
・自分が一切である
・危険やトラブルを察知、上手に避ける
・あらゆる人に平等で美しい
第四章 昔も今も生かされている
・よき友は、自分のなかで生きている
・悩み苦しむ心を救った日本の文学
・唯我独尊に生きる
「これまで私は、長寿を願ったことはありませんでした。死を意識して生きたこともありません。淡々と、生きてきました。」そう語るのは、大正2年生まれの日本の美術家篠田 桃紅さんです。
この篠田 桃紅さんが出版された「一〇三歳になってわかったこと 人生は一人でも面白い」という本がステキだったので、ご紹介します。
古代の「人」は一人で立っていた
私は、24歳で実家を出てから、ずっと一人で暮らしていますが、孤独をあたりまえだと思っています。一人の時間は特別なことではなく、わびしいことでもありません。誰かが一緒にいないと寂しくてたまらない、と思ったこともありません。ごく自然に、一人でいることを前提に生きてきました。また、人に対して、過度な期待も愛情も憎しみも持ちません。
篠田さんは、一人の時間が特別でもなく、わびしいこともないと語ります。多くの人が孤独を恐れ、一人で生きることに不安も持っています。「古代の人のように最後まで一人で立っている人でありたい」と語る篠田さんの言葉には、勇気づけられるものを感じます。
歳をとるということは、想像して生きてゆくこと
百歳を過ぎると、前例は少なく、お手本もありません。全部、自分で想像して生きていかなければなりません。歳をとるということは、クリエイトするということです。作品をつくるよりずっと大変です。すべてのことが衰えていくのが、歳をとるということなのに、二重のハンディで、毎日を創造的に生きていかなければなりません。楽しいことではありませんが、マンネリズムはありません。
百歳を過ぎるということは、まだ僕には想像すらできません。「歳を重ねるということは、クリエイトすること」という言葉には納得です。つまり、それは日々やれることをやっていくということです。
“いつ死んでもいい”は本当か
あまり長生きしたくないと言う人がいます。それは偽りだと思っています。みんな、やはり長生きはしたい。誰だって死にたくないはずです。(中略)「私はいつ死んでもいい」と言う人がいます。それは言っているだけで、人生やるべきことはやった、と自分で思いたいのです。自分自身を納得させたくて、「いつ死んでもいい」と言うのです。
どうせ生き抜くならば、「この世にやり残したことはない」と思いたいものです。ただ、それは本当に難しいことでもあります。篠田さんは、「生きているかぎり、人生は未完」だと言います。この言葉には感慨深いものがあります。 僕らには、まだまだできることが沢山あるのではないでしょうか。
何かに夢中になる
なにかに夢中になるものがないと、人は生きていて、なんだか頼りない。なにかに夢中になっていたいのです。それが、一番になりたい、記録を更新したい、という思いにもつながっていきます。(中略)人はみな、なにかにすがっていたい、どこかによりかかるものがほしい。その一投を買ってくれるのが、なにかに夢中になることだと思います。そして、芸術、スポーツ、宗教など、さまざまなものを生み出しているのだと思います。
夢中にられるものありますか?人生で、心から夢中になれるものがあるというのは本当に心強いと思います。なにかに夢中になっているときは、ほかのことを忘れられますし、ときに救われることもありますよね。音楽、イラスト、料理、ブログ、なんだっていいのです。自分が夢中になれるものを探していきたいです。
唯我独尊に生きる
一種、唯我独尊で、環境や流行などにとらわれたことはなく、人の目がどうであろうと関係なくやってきたように思います。周囲と違っていると自覚しても、人と違っていいのだと自分に言ってきました。(中略)周囲の若い人が果たして私をどう見るだろう、と想像して、あのようなみっともない歳のとり方はしたくない、と思われないようにしたいと思ったりはしますが、それすらも、若い人にどう思われようと、ここまで老いれば、どうしようもない。自然というものには勝てっこないのだから。自然にまかせようという気持ちがあります。
自分を信じて生きたい…誰だってそう思うことがあると思います。篠田さんの、この文章を読むと、そんな自分を信じて生きたいという気持ちを、そっと背中を押してくれるようなパワーを貰える気がします。自然のまま、これからも生きたいと思います。
最後に
当たり前ですが、本書には、ここでは紹介しきれないほどのステキな文章が記されています。
他にも「どうしたら死は怖くなくなるのか」「誰もやらないときに、やったことが大事」「外国との付き合いによって気づかされる」「よき友は、自分のなかで生きている」などなど、本当に読み応えがあり、言葉に重みを感じます。
そして、篠田さんの文章を読むと生きるチカラが漲ってくるような気がします。一〇三歳とは、まだ想像すらできませんが、これからの人生をどう生き抜くか、とても参考になる本だと思います。