「俺はまだ本気になってないだけだから」が口癖になっていませんか。このように言ってしまう人には、ある心理が隠れていました。
今回は、自分でも気づきにくい「俺はまだ本気になってないだけ」に隠された人間心理について書きたいと思います。この心理はハッとさせられます。
もくじ
あなたの最大の敵は自分自身である
ジェフリー・エフファーは「権力」を握る人の法則 (日経ビジネス人文庫)という本で、以下のように言及しています。
人がセルフ・ハンディキャッピングに走る論理は、拍子抜けするほど単純である。まず、自分は優れている、能力がある、と思っていたい。だが失敗をすれば、この自尊心はいたく傷つく。
まさに同じように、積極的に上をめざさない人は、自分が昇進しないのは人格や能力に問題があるからではなく、自らの選択の結果なのだと暗に示すことができる。
権力の生成に関する構造的な考察が記された本書の冒頭部分で、少しばかりセルフ・ハンディキャッピングの概念が記されています。
「俺はまだ本気になってないだけだから」と言ってしまう心理は、このセルフ・ハンディキャッピングを知ることで見えてきます。
セルフ・ハンディキャッピングとは?
セルフ・ハンディキャッピングとは、自らにハンディキャップを課し、たとえ失敗した時でも言い訳ができるようにしておく行為。つまり、失敗した時の逃げ道のためにわざと努力や頑張りを中途半端なものにしてしまう、という心理の傾向を指す言葉です。
例えば、試験など何かの本番前に予め「全然勉強できてない」「体調が悪い」などと言い訳をしておく行為ですね。心覚えがある人も少なくないのではないでしょうか?
そうです、「俺はまだ本気になってないだけだから」と言い訳をする人も、セルフ・ハンディキャッピングが働いていたからです。
セルフ・ハンディキャッピングのメリット・デメリット
実は、セルフ・ハンディキャッピングにはメリット・デメリットの両面があります。
セルフ・ハンディキャッピングのメリット
セルフ・ハンディキャッピングのせいにできるので、自分への心理的ダメージが少なくなります。うまくいかなかったことの言い訳が、「寝不足だから」「体調が悪いから」などと言って、自分の能力不足、努力不足への劣等感を薄くする作用があるのです。
人間は傷つくことを恐れ、自己防衛のために使いがちになります。
また、逆に成功したときの「ハンディキャップがあったのに、良い結果が残せた」と評価を高くする効果があるのも特徴です。
セルフ・ハンディキャッピングのデメリット
セルフ・ハンディキャッピングには、大きなデメリットがあります。それは、最初からチャレンジする気持ちが少なくなったり、言い訳ばかりで必要な努力ができなくなってしまうことです。
経験ある人もいるのではないでしょうか。テスト前で勉強しなければいけないのに、漫画を読んでしまって勉強をせずにテストに挑んだという人。これは典型的なセルフ・ハンディキャッピングです。
やらなければいけないことがあるのに、つい「後で…」と言い訳してしまったり、大事な用事に限って後回しにしてしまう傾向にあるのです。
セルフ・ハンディキャッピングを乗り越えよう!
ジェフリー・エフファー氏は、本書の中でこのようにも言っています。
自分自身を乗り越えよう。セルフイメージにこだわるのをやめ、ついでに言えば、他人にどう思われるか気にするのもやめよう。そもそも他人はあたなことをそんなに気にしていない。みんな、自分のことで手一杯である。自ら努力を放てきすれば、プライドは維持できるかもしれない。
まず、セルフ・ハンディキャッピングを乗り越えるためには、「失敗したら、恥ずかしい」という考え方を捨てましょう。「たとえ失敗しても自分は悪くない!」くらいの気持ちでリラックスして行動すればいいのです。
さらに、他人の声を気にしすぎないのも大切です。 ジェフリー・エフファー氏も言っていますが、失敗を恐れている人は、セルフイメージにこだわりすぎています。他人にどう思われるか気にするのをやめるだけで、前向きな行動ができるようになります。
最後に
言い訳ってしてしまう気持ちもわかります。だって、傷つきたくないですから。でも、それが成長の妨げになっているとは気づきにくいものです。この「セルフ・ハンディキャッピング」という概念を知るだけで、言い訳してしまう自分に気づきやすくなります。
また、日本では謙虚さがよしとされるために、セルフ・ハンディキャッピングをしてしまう人が多いとも言われています。
大切な本番の前に練習をしなければいけないのに、ゲームをし始めそうになったら、「ダメダメ!これはセルフ・ハンディキャッピングだ」と自分に言い聞かせるのです。
そうすると、自ずと「やる必要があること」に集中できるようになります。
今日のクエスト~LevelUpポイント~
- セルフ・ハンディキャッピングに気をつけよう!
- 自分の敵は自分である!
To be continued…