成功し始めると「もっと、もっと成功したい」「もっと、もっとお金持ちになりたい」と思う人がいます。
確かに成功を追い求めて努力する姿は素晴らしいものがあります。ただ、成功し始めると周りが見えなくなり、落とし穴に陥る……なんてこともあり得てしまうのです。
どうも、ねこひげ(@dr_catwhisker)です。
今回は「もっと、もっと成功したい」の落とし穴というお話です。
目次
幸せを追い求めてしまう人たち
一度、成功を味わった、さらなる成功を追い求めてしまう人たちがいます。
「いい車に乗ったら、もっといい車に乗りたい」「高級な時計を買ったら、もっと高級な時計がほしい」など、「もっと、もっと!」という考えになりがちなのが人間です。
幸せを追い求めることは決して悪いことではありません。何か追い求めるからこそ、未来をよくしていくというモチベーションになるのは間違いのない事実です。
ですが、「もっと、もっと」とうい思考には落とし穴もあるので注意です。
もし成功し始めて物事が順調に行き過ぎているぞというときは、調子に乗るのではなく、自分の身の丈を意識しながら目標に向かうことが望ましいと考えます。
快楽の踏み車
心理学用語で「快楽の踏み車(hedonic treadmil)」という言葉があります。
簡単に説明すると「人間は一度幸せ(快楽)を味わうと最初の幸せ(快楽)を忘れ、さらなる幸せ(快楽)を求めてしまう」という現象です。
たとえば、恋人ができて数ヶ月は「とても幸せ!」と思うのに、それが当たり前になり「もっと刺激がほしい!」「もっとイケメン(美人)がいい!」など、さらなる快楽を求めてしまうような人たちです。
宝くじに当選しても快楽は一瞬なだけ
ノースウェスタン大学のフィリップ・ブリックマンが宝くじが当選したら、幸せになれるかという調査を行なっています。
一方は宝くじに当選して裕福になったばかりの人で構成され、一方は事故で思うように体を動かすことができなくなった人たちで構成される。当然のことながら、宝くじの当選者は当選以前よりも幸せになったと答え、事故にあった人は事故以前よりも幸せではなくなったと語った。
しかし、ブリックマンがこの二つの集団を継続的に観察したところ、まったく予想外の結果となった。宝くじ当選者の幸福度は、当選前と同じ程度にすぐ戻ってしまったのに対して、事故で体が不自由になった人たちは、事故の直前よりもわずかに低い幸福度まで回復をみせたのである。
つまり、幸運になった人も、不運になった人も、時が経つと幸福度はもとの水準にまで戻ったということです。
これを心理学者のフィリップ・ブリックマンらは「快楽の踏み車(hedonic treadmil)」と名付けました。
どんな不幸やどんな幸福にも必ず慣れてしまう
フィリップ・ブリックマンらの研究からわかることは、「人はどんな不幸やどんな幸福も、いずれ必ず慣れてしまう」ということです。
どんなに成功を追い求めも満足することはなく、「もっと、もっと」と考えがになってしまうようなのです。
これがモチベーションになればいいのですが、「もっと、もっと」と思っているうちは裏を返せば「今は満足できていない」「今は幸せではない」と思っているということを意味します。
周りから見たら、「幸せそうなのに」と思われていたとしても、本人からしたら「幸せではない」と思っているケースです。
すべての人が「大きくなる」ことを求めなくてもいい
たとえば、あなたが起業をして会社を作ったとします。必ずしも自分が立ち上げた会社を大企業を目指す必要はありません。
人よっては個人店のような、または小さなバーのような商売が性に合っているということもあります。
すべての人が「大きくなる」ことを目指す必要はありません。それは起業に限らずです。自分の価値観を知り、自分のできるキャパシティを知ったうえで、徐々に幅を広げていけばいいのです。
たまにある幸せを普通に楽しもう
良い事があってもすぐに慣れてしまいます。慣れてしまうと、それが当たり前になってしまい、「もっと、もっと」と幸せを追い求めてしまうと話してきました。
大事なのは、たまにある幸せを普通に楽しむことではないでしょうか。
そんなときは「感謝日記」をつけるのも手だと思います。
「なんで、私ってこんなに不幸なの…?」と思う人も、実は最初に感じていた幸せに慣れてしまっているだけかもしれません。
幸せを追い求めて頑張ることは素晴らしいです。そこを否定するつもりはありません。
ただ、今ある環境で周りを見渡した時に、当たり前になりすぎて「慣れ」てしまった幸せがあるのではないでしょうか。目の前の人たち、食事、衣服など。
たまにある幸せを普通に楽しめるようになれば良いのかなと思う次第です。
今日のクエスト~LevelUpポイント~
●「もっと、もっと」という思考は要注意!
●人は幸せに慣れてしまう!
●たまにある幸せを普通に楽しもう!