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名著「嫌われる勇気」の内容以外の3つの魅力

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名著「嫌われる勇気」の内容以外の3つの魅

ベストセラー書である「嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え」という本があります。読んだことがある人も多いのではないでしょうか。もし読んでいなくても「嫌われる勇気」というタイトルは聞いたことがあるはずです。

 

この本は、世に「アドラー心理学」を広めた本でもあり、内容が素晴らしいのは言うまでもありません。おそらく、インターネットで「嫌われる勇気  レビュー」と検索すると、数多くの読書感想が出てくることでしょう。

 

どうも、ねこひげ先生(@dr_catwhisker)です。

今回は名著「嫌われる勇気」の内容以外の魅力について書きたいと思います。

 

 

 目次

 

「嫌われる勇気」ってすごい

 

今回ご紹介する「嫌われる勇気」ですが、僕は何度も読み返し、オーディオブックでも聞いているほど好きなのです。ココロクエストの読者の中にも「読んだことある!」という人も多いのではないでしょうか。

 

本書は、哲人と青年の対話形式で心理学初心者でも分かるように「アドラ−心理学」とは何かを明解に解読するような形で話が進められていきます。

 

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

 

 

この本が素晴らしいのは言うまでもなく、多くの方が内容についてのレビューや要約を書いていると思われます。そこで、今回ちょっと違った視点で、この本の魅力に迫ろうと思います。

 

僕が個人的に「そりゃすごいよ!」と感じた魅力についてご紹介していきます。すでに本書を読んだことがある人はまた読み返していただき、まだ読んでない方もぜひ手にとって読むきっかけにしてみてください。

 

 「嫌われる勇気」の内容以外の3つの魅力

ねこひげ読書

①タイトルがインパクト抜群

①タイトルが秀才

この「嫌われる勇気」というタイトル、ものすごくインパクトがあると思いませんか。一度聞くと忘れられなく、本の内容が気になる強烈なタイトルです。

 

世の中には、人の目を気にする人がいたり、自由に生きられなくて悩んでいる人が多くいて、そのような人にとって印象に残る「これ以上ないセンスあるタイトル」です。

 

この本はアドラー心理学について書かれた本ですが、タイトルには「アドラー」も「心理学」という文字もありません。もし、「アドラー心理学入門」と書かれてあれば、おそらく本屋では哲学・心理学の棚に置かれて、関心がある人にしか見られなかったことでしょう。

 

ただ、「嫌われる勇気」というタイトルにしたことで、一般的な人にも読まれやすい自己啓発書・ビジネス書として、多くの人の目に留まることになったものだと思われます。

 

今でこそ、アドラー心理学というタイトルが付いた本も増えましたが、当時は心理学といえばフロイトやユングが有名で、まだまだアドラー心理学は知られていませんでした。結果的に、アドラー心理学が世の中に広まり、社会現象になったのですから良いタイトルだなと思います。

 

②青年がいい感じにアツい男

②青年がいい感じにアツい男

この本は哲人と青年の対話形式で話が進みます。この対話形式は、どうやらマーク・トゥエインの『人間とは何か』がモデルになっているようです。数年前に爆発的に売れた本田健さんの「ユダヤ人大富豪」も対話形式でした。

 

ですが、本書「嫌われる勇気」の対話形式は一味違います。基本的に、人生は複雑で生きづらいと主張する“青年”に対して、アドラー心理学の使徒である“哲人”が諭していきます。ここまではよくあるのですが、この青年がなかなかアツい男です。

 

哲人: 認めてもらえるとは?

 

青年: ふっ、回りくどい誘導尋問はやめていただきましょう。先生もご存知のはずです。いわゆる「承認欲求」ですよ。対人関係の悩みは、まさしくここに集約されます。われわれ人間は、常に他者からなの承認を必要としながら生きている。相手が憎らしい「敵」ではないからこそ、その人からの承認が欲しいのです! そう、私は両親から認めて欲しかったのですよ!

 

哲人: わかりました。いまのお話について、アドラー心理学の大前提をお話しましょう。アドラー心理学では、他者からの承認を求めることを否定します。

p132 「承認欲求について」より

 

青年: ……少しずつではありますが、見えてきました。しかしですね先生、お気づきでないようですが、あなたは先ほど、とんでもないことをおっしゃいましたよ。あまりに危険な、世界のすべてを否定しかねない暴論を。

p208 「勇気づけについて」より

 

なかなか、この青年がアツイ男で哲人に向かって論破していこうと試みるのです。それに対し、哲人は冷静に人生の教訓を説いていきます。

 

では、なぜこのアツい青年のことを魅力に感じるのか。

 

それは、読者目線だからです。どこか、人生哲学やごもっともな話というのは、どうしても「そんなことを言われても…」「わかっているけど…」といった否定的な感情がわくことがあります。

 

このような否定的な読者目線で哲人に疑問をぶつけてくれるのが青年なのです。つまり、青年という立場は読者である僕らでもあるのです。(著者がどう思われて書かれたかわかりませんが、僕はそう感じました)。

 

しかも、青年は読者以上にヒートアップしてくれるので、ある意味が読者は冷静に見ることができます。現実社会でも、横で怒っている人がいれば、「まぁそこまで怒らなくても」と冷静になれたりしますよね。

 

話が進むにつれて、青年が哲人の言っていることを理解していき、僕ら読み手側も鉄人の言っていることに「うん、そうだな」「確かにわかる」と青年と一緒に納得していくのです。すごいですよ、これ!

 

ちなみに、オーディオブックで聞くと抑揚をつけて感情をモロに出しているので、本で読む青年の3倍はアツく感じます。

 

③名前が出てこないから世界中で読まれる

③名前が出てこない

何度もお伝えしているとおり、本書は青年と哲人の対話形式で話が進みますが、名前は出てきません。なぜ、名前が出てこないことがいいのでしょうか。

 

もちろん、名前を出すことが魅力なこともありますが、本書に限って言えば固有名詞が入らないことで難しいアドラー心理学について読者が感情移入しやすくなると思います。

 

しかも、名前が入らないことで、どこの国、どの時代の人にも読まれやすい本になっています。

 

もし、アドラー心理学に出てくる青年の名前が「マイケル」とかだと、日本人にとっては感情移入するには少し抵抗がありますよね。逆に、「タケシ」とか日本人の名前だとしたら外国では売れていなかったかもしれません。

 

あと、世界観も「古都の外れ」とだけ書かれています。古都の外れであれば、世界中のどこにでもありそうです。この辺も、読者が感情移入しやすく魅力的なポイントです。ちなみに、韓国では記録的な大ヒットになったようですよ。

 

最後に

今でこそアドラー心理学の本が増えましたが、「嫌われる勇気」が出版された2013年の段階ではほとんど知られていませんでした。アドラー心理学の火付け役になったのが本書「嫌われる勇気」です。

 

対話形式を取り入れることで感情移入がしやすくなり、難しいアドラー心理学についても理解がしやすくなります。タイトルもインパクトがあり「嫌われる勇気」というタイトルにしたからこそ、ここまで世の中に広まったのではないでしょうか。

 

今回は内容以外の魅力について書かせていただきました。本の内容が素晴らしいのは言うまでもありませんので、ぜひ読んでほしい一冊です。

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

 

 

今日のクエスト~LevelUpポイント~

●タイトルで心惹かれる!

●難しい内容でも対話形式だと読みやすい!

●嫌われる勇気を読もう!